カウンセリングにおける「信頼する」とは【横浜市 Therapy Senagy】
2025/05/10
こんにちは!
横浜市にあるカウンセリングルーム Senagy Therapyです。
今日はカウンセリングにおける「信頼する」ということについてお話をします。
成田善弘先生の「精神療法家の仕事」の中に『信頼する』ということについて以下のように書かれていました。
『信頼する』とは相手についてすべて知っている状態と、まったく何も知らない状態との中間の状態である。相手について何も知らなければその人を信頼することはできない。しかし、相手のことが何もかもわかっていれば、自分がこうすれば相手はああすると確実に予測できるのであれば、もはや『信頼する』必要はない。予測通りのことが当然のこととして起こるだけである。私たちは明日の朝、太陽が昇ることを信頼して眠りにつくわけではない。朝になれば太陽が昇るのはきまっているのだから、それを信頼するとは言わない。『信頼する』とは完全には予測できないということである。したがって、信頼して打ち明けるときにはいくばくかの不安が伴う。打ち明けるときには、その不安に打ち勝って思い切って話さなくてはならない。だから勇気がいる。先の明るくなることを信じて話始める。そして話し始めたら、心を空にするまで全てを話さなくてはならない。中途半端にとどめては本当に委ね、託すことにならないからである。打ち明けるとき、人は不安に打ち勝って『信頼』という人間が人間に贈りうる最高の贈り物を贈るのである。そして相手がそれを受け止めてくれたとき、人はもはや孤独ではなくなる。重荷をともに担ってくれる人が現われたからである。一人の重荷が二人の重荷になる。だから打ち明け話を聞く人は『信頼』という最高の贈り物を受け取ると同時に、重荷をも担わされるのである。
キリスト教文化では告白は聖職者によって聴かれる。告白は本来、神に向かって罪を話し、神によって許されることを意味しているであろう。だから打ち明け話を聞く人はいくばくか神を演じるのである。聞く人が重荷に感じるのも無理からぬことであろう。精神療法家
であることはその重荷に耐えることである。
「信頼する」ということを私たちは今まで勘違いしていた気がしますね。「相手についてすべて知っている状態と、まったく何も知らない状態との中間の状態である。」なんて考えていませんでしたね。本質的な真実である真理を教えてもらいましたね。目から鱗が落ちました。
では今日はこの辺で失礼します。
引用文献 成田善弘 金剛出版 2014年8月22日
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Senagy Therapy
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