続セクシャルマイノリティについての誤解と流言

こんにちは！

横浜市にあるカウンセリングルーム Senagy Therapyです。

今日は昨日に引き続き「セクシャルマイノリティについての誤解と流言」の「同性愛は生まれつき」について佐々木掌子先生の心理臨床の広場に投稿されている文章を引用させていただきます。是非皆さんに読んでいただきたい内容です。

言語③「同性愛は生まれつき」

「同性愛を異性愛に変える心理療法を提唱することは非論理的である」ということは、心理臨床家であれば知っていなければならない知識です。しかしそれは「生まれつきだから」という理由ではありません。「生まれつき」とは一体なんなのでしょう？この雑な表現に込められている意味について熟考する必要があります。双生児法による行動遺伝学研究をご存知でしょうか。この方法論の卓越した点は、遺伝と環境の影響を（同時）に検討できるところです。そしてあらゆる行動　ー知能、パーソナリティ、精神疾患、芸術的才能、さらには投票行動までー　において、遺伝も環境も、それぞれ影響しているという凡庸ながら科学的な結果が、世界各国の双子研究のラボから報告されています。性的指向も同様です。それは遺伝の影響も環境の影響もあります。生まれつきかそうでないかという雑な二分法で判断すべきことではありません。

　同性に性的指向が向くことは健康です。幸せに暮らすLGBTの人たちを知らなかったり、性的指向が同性に向くよりも異性に向くほうが好ましいと価値づけしている場合に、「生まれつきだから仕方ない」という発想が着想されるのかもしれません。

では今日はこの辺で失礼します。

引用文献　佐々木掌子 心理臨床の広場　Vol.10 No.2  P.35  Mar.2018