セクシャルマイノリティについての誤解と流言【横浜市 Senagy Therapy】
2025/05/31
こんにちは!
横浜市にあるカウンセリングルーム Senagy Therapyです。
今日は明治大学 文学部 専任准教授の佐々木掌子先生の文章を紹介させていただきます。
言説②「性同一性障害とは心の性別と体の性別が同一であること」というのは誤解です。この誤解の出処ははっきりしていて、当時、性同一性障害概念がマスメディアで宣伝された時に、「権威」とされる精神科医がそのように説明したことに始まります。おそらく性同一性障害をきっかけにジェンダーとセックスの違いを勉強し、二分法的理解をしてしまって誤解をしたのだと拝察されます。
そのような二分法的理解は「わかった感」を得やすいので、医師の誤解が人口に膾炙したのだということもあるでしょう。
性同一性とは、ジェンダー・アイデンティティの訳語です。Ego identity が自我同一性と訳されることと同様に、「同一性」とはアイデンティティのことを指します。「自我」が「同一」であるということはどういうことかというと、時や状況を超えても自我が同じであるというまとまりの感覚を意味します。それと同様に、性同一性とは、時間的に、社会的に同じ性別であるという感覚のことを指します。Gender idenntity の訳語に性自認を充てることがありますが、誤訳でしょう。性自認を敢えてバックトランスレーションするならば、Gender selfrecognitionとなり、アイデンティティの意味合いは反映されません。
心理臨床家にとって、この理解は大変重要になります。性同一性を「言説②」で理解してしたら、「心と体を同一にしなくては」と考えて心理サポートすることになってしまうからです。そうではありません。私たちがサポートするのは、アイデンティティです。性別がまとまりを持ってほどよく感じられるようにサポートするのが、私たちの仕事です。
引用文献 佐々木掌子 心理臨床の広場⑳Vol.10 No.2 P.34~35 Mar.2018
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Senagy Therapy
住所 : 神奈川県横浜市南区大岡4丁目
電話番号 : 080-6884-1646
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